「人形の遊び」 1949年
写真:ハンス・ベルメール詩:ポール・エリュアール






ドイツ、ルネッサンス期の人形からヒントを受けたベルメールは、等身大の間接が動く人形を制作し、一気に少女への好奇心を具現化し始める。
丸でベルメールの自慰の記録の様な作品「人形の遊び」は自作の人形を自ら撮影したゼラチン・シルバー・プリントに6人のシュルレアリストによって発色が良く、有毒なアニリン・インクを用いて彩色されオリジナルプリントを張り込んだ写真集となった。サルバドール・ダリの妻として知られるガラの最初の夫、ポール・エリュアールの既存の詩と共に収められている。
スイスでベルメールによる彩色指示見本を見た事があるが、実際刊行された「人形の遊び」とはサイズを含め大きく印象が違っていた。実際刊行された「人形の遊び」でも2冊を並べ比べてみるとトリミングや彩色が違うもの、ネガ自体が違うものがあり、試行錯誤なのか曖昧なのか考えさせられる。
木の陰から顔がのぞくイメージはハンス・ベルメール自身に良く似た弟フリッツが顔を出しているものと体のシルエットだけが写っているものがある。直立した人形の着色にも大きな違いが見て取れる。
戻る